長良クラブ

               東海社会人リーグに所属しています。試合内容や活動報告をしていきます。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--/--/--(--) --:--:-- | スポンサー広告 | Trackback(-) | Comment(-)
4月2日 マンチェスターU、戦術を超えた戦術
★究極のオーダーメイド
― 今回は昨季(07-08)のCL王者マンチェスターUです。まずはこのチームの基本戦術を教えて下さい。

 サッカーでは戦術が一番大事ではないということがよくわかるチームだと思います。マンUのサッカーは、チーム戦術のような型にはまったものではなく、むしろ型破り。草食動物ではなく肉食獣。組織や戦術よりも、それを超えたところに強さがあります。戦術が好きな人は、よく図などを用いて俯瞰(ふかん)的にサッカーを理解しようと試みますが、ファーガソンはそういうのには関心がないんじゃないでしょうか、たぶん。ホワイトボードに書かれた理論も大事ですが、それだけを突き詰めても解決できない問題は必ず出てきます。彼はそれよりも選手の閃き、個々のクオリティで問題の解決を図る。その方が解決できる範囲が広いと、経験則で知っているのでしょう。だから、マンUのサッカーは制約が少なく、どこか野生的です。

―具体的にはどこにそれを感じますか?

 わかりやすいのが、バルセロナとの比較です。マンUはドリブルの開始位置が自由で、ロナウドが自陣から80m近くを一人で持ち込むといったアナーキーで、ダイナミックなプレーが許されています。一方、バルセロナでそれはあり得ません。きちんとトライアングルを作って計画的にパスを回し、ドリブルで勝負するのは、主にサイドの高い位置。パスを出して、止める基本テクニック、先を読むビジョンを重視するパスサッカーが徹底されており、育成年代でもそれを叩き込まれます。要は、バルセロナの方がチームのフレームワークが明確なのです。
 アーセナルからバルセロナへ移籍したアンリは、ちょっと苦労していますよね。彼の持ち味は前方にスペースがある時のダイナミックな持ち上がりで、それこそ一人で敵陣までボールを運んでフィニッシュ、あるいはラストパスに繋げる力があります。ところが、バルセロナではウイングにボールが入るのは、細かくショートパスを繋いでサイドの高い位置までボールが来た時です。そこでようやくドリブルが解禁される。でもそれじゃあ、アンリの能力の“おいしい部分”はほとんど使えません。

―戦術家タイプの監督は、何かあった時に備えて特定の中心選手が抜けても成り立つチーム作りを心がけます。ファーガソンはその反対なんですね。

 もちろんバルセロナも、選手の個性を重視しています。要は割合の違いなんですが、マンUはそれが極端に高い。例えば、雨が降っている試合のロナウドは積極的にGKの手前でバウンドさせる無回転ミドルを狙います。それがそのまま決まらなくても、GKが弾いたボールを詰めることもできますから。ただし、他の選手はバカスカ蹴らない。別にこれはチームとしての狙いではなく、「ロナウド個人の」狙いなんです。足の振りが速く、わかっていても止められないタイミングでシュートを打つことができ、かつパスを出すよりも決まる確率が高い。他の選手だったら、パスの方がいい結果を生むかもしれませんし、別の答えが正解かもしれない。上から命じられたことを、そのまま機械的にやっているわけではありません。もちろん、それが悪い面に出ることもあるのですが、マンUに関しては総合的に見ればプラスに働いていますね。

―でも、いくら判断能力の高い個人がそろっていても、組織としての方針が曖昧だとチーム力は上がらないのではないでしょうか?

 マンUにはバルセロナのような、こと細かなメソッドはありませんが、精神性というかチームの確固たる伝統があります。全員がよく走って、球際もアグレッシブに行く。スーパースターがそろっていますが、みんながハードワークして泥臭く頑張ります。アーティストがやっている労働者のサッカーというイメージ。そういうベースがあるからこそ、戦術的な規制の少ないサッカーをやれるわけです。

―確かにマンUはチェルシーやアーセナルと比べて“英国色”を色濃く残したクラブという印象です。

 マンUを見ていて思うのは、彼らにとってフットボールが舶来モノではないという事実です。戦術うんぬんの前に大事なことがある。「フットボールとは何か?」。それを考えるまでもなく、すでに当たり前のようにフットボールがあった国。そんな強みと、いい意味での大雑把さを併せ持った伝統は、外国人ばかりになっても見事なほど持続できていると思います。
 例えば、日本人にとって柔道とは「一本取ってなんぼ」の競技ですよね。ところが、外国人は「ポイントで勝てばOK」と考えている。とはいえ我われは、そんなものは柔道じゃない、柔道とはこうあるべき、みたいな母国のプライドをごくごく自然に持っていますよね。イングランド人のフットボールに対する感情もそれと同じです。

★求められる3つの条件
―チームのベースが精神論だと、監督のマネージメント能力が問われますね。

 スター選手を走らせることに関して、ファーガソンは傑出しています。あとは補強ですね。チームカラーに合った選手を集めることが重要になってきます。マンUの評価点は他と違います。第一にフレア(閃き)を持っていること。第二にアグレッシブであること。第三にハードワーカーであること。豊富な資金力をバックに、主にこの3点をクリアしている選手か、少なくとも2つ、1つの場合はそれが飛び抜けている選手を獲得しています。ロナウド、ルーニー、テベスは他にない個性を持っています。ロナウドはフレアが傑出していて、ルーニーとテベスは3つすべてを高い水準で兼ね備えた非常にマンUらしい選手。一方、パクやハーグリーブスはフレアはありませんが、アグレッシブさとハードワークの2つは申し分ありません。

(中略)
 今日でも「フットボールは人に教わるものではない」という考え方が多少残っているという。コーチが戦術を説き、選手たちは生徒よろしくそれを拝聴するという図は、「フットボールが輸出された先の国々」のものなのかもしれない。ベストやカントナ、ルーニー、ロナウドといった“ナチュラル”と、彼らの使い方を心得た監督。マンUは実に英国らしいクラブだ。
スポンサーサイト
Designed by aykm.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。